左のサイクル
周術期には出血に伴う凝固因子・血小板の喪失がおこる。さらに、投与される輸液や赤血球輸血の影響から希釈性の凝固障害を引き起こし、PT/APTTが延長する。
右のサイクル
一方で、出血の影響で血液凝固は亢進するが、それによりまた凝固因子や血小板は消費されることになる。それは止血血栓の形成にも時間がかかり、血栓自体も脆弱なものになる。また血管損傷部ではフィブリン産生に伴いプラスミン産生も更新し、α2-PIも希釈の影響を受けることから、プラスミン活性が亢進し、出血傾向がさらに進行する。
こうしたサイクルが回ることでトロンビンによる局所制御が困難となり全身の炎症反応が更新し、最悪の場合DICに至る。
参考:LiSAコレクション 症例で学ぶ周術期の凝固・線溶の管理 香取信之著
https://www.amazon.co.jp/LiSAコレクション-症例で学ぶ周術期の凝固・線溶の管理-香取信之/dp/4895928306/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=カタカナ&crid=38DCCUAJ2WVSR&keywords=凝固+線溶&qid=1649481652&s=books&sprefix=凝固+線溶+%2Cstripbooks%2C164&sr=1-2
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