Prophylactic Single-use Negative Pressure Dressing in Closed Surgical Wounds After Incisional Hernia Repair
A Randomized, Controlled Trial
Jose ́ Bueno-Lledo ́, PhD
the Surgical Unit of Abdominal Wall. Department of Digestive Surgery, ‘’La Fe’’ Hospital, University of Valencia, Valencia, Spain.
Objective
腹壁瘢痕ヘルニア(IH)修復後の閉創部にディスポーザブルの陰圧閉鎖療法(sNPWT)を予防的に使用することで、手術部位合併症(SSO)と入院期間が減少するかどうかを評価するために、無作為化比較試験(RCT)を実施した。
Background
sNPWTドレッシングは,コスト削減や閉創の漿液腫, 血腫,創し開,創傷感染などのSSO予防に対する利点が報告されている。しかし,IH患者の閉創では,これまであまり研究されていない。
RQの構造化
Ho: 正中創の腹壁瘢痕ヘルニア患者に対し、正中創にsNPWT使用群と対象群でSSOの発生に差はない。
P:W2 or W3の腹壁瘢痕ヘルニアの成人患者で開腹の腹壁瘢痕ヘルニア修復術を受けた患者
(除外基準)ヘルニア修復術の30日以内に手術を受けていた患者、緊急手術、妊婦、肝硬変、正中以外の創部
E:sNPWT群 (n=72)
C:対象群 (n=74)
O:(Primary) 30日以内のSSO発生率、(Secondary) 入院期間など
M:RCT
Methods
・2017-2020 単施設
・sNPWTにはPICOを使用。-80mmHgで7日間吸引。モードは不明。
・術式はRives Stoppa, TAR, anterior component separation
・全例でドレーンを2本留置(一本はretromuscular or 外腹斜筋の下。一本は皮下)
・12, 30日後に外来で創部を評価Results
・術後30日の時点で、対照群はsNPWT群に比べてSSOの発生率が有意に高かった(29.8% vs 16.6%、P < 0.042)。
・SSIは治療群では1例もなく、対照群では6例であった(0% vs 8%, P < 0.002)
・漿液腫、血腫、創し開、入院期間については、両群間に有意な差は認められなかった。
Limitation
・単施設
・盲検化されていない。
・sNPWTには200mlの浸出液を吸収する能力がなくそれ以上の浸出液に対しては効果を失う。
Conclusion
IH修復後の閉創部にsNPWTを予防的に使用することで、SSOの全体的な発生率と術後30日目のSSIを有意に減少させることができた。
FINERによるRQの評価
F: どの施設でも可能
I/N: 閉創部へのNPWTの報告はそれなりによく聞くので新規性という点では少ないかもしれないが、ヘルニア手術の重要なアウトカムの一つであるSSOに注目している点は新規性あり
E: 問題なし
R: 費用対効果分析などもあるとより導入しやすい。
私見
スペインからの報告です。単施設の結果ではありますが、SSOの発生は単変量解析で有意差は見られているようです。閉創部位にNPWTを用いる報告は時折見かけますが、どこに圧がかかっているのかよくわからず自分はいまいち懐疑的でありました。しかし、やって悪い影響もそんなにないのかなと思いますので、あとはその労力やコストが結果に見合うのか、Limitationにある通り費用対効果分析なども必要に感じました。
MetaData
Summary author: Takuto Yoshida
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