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Journal Club_Pancreas

公開·4名のメンバー

Masakazu Fujii


Radiographic and Serologic Predictors of Pathologic Major Response to Preoperative Therapy for Pancreatic Cancer

Giampaolo Perri, MD, Laura Prakash, MD…, and Matthew H. G. Katz, MD

Department of Surgical Oncology, The University of Texas MD Anderson Cancer Center

Ann Surg 2021;273:806–813背景:MD Andersonの同グループは、術前治療に対するpMR(病理組織学的に見て、手術標本に5%以下の生存癌細胞が検出されること)が、膵癌患者の重要な予後因子であることを報告している。が、現時点では、手術で検体を取るまでpMRかどうかはわからない。目的:pMRを得られたかどうかを客観的に判断するために、術前治療の治療効果を示す画像所見や腫瘍マーカーの値を明らかにする。P:2010年1月から2018年12月までにPDACに対する膵切除術の前にNAC・RT単独・NACRTを受けた患者で術前治療前後のCTがちゃんと記録されている症例(MD Andersonの単施設後ろ向き研究)。

→pMRを得られた群とそうでない群を比較し、pMRと関連する因子を多変量解析で抽出。Resulsts

・術前治療の内容はNAC(12%)、RT単独(30%)、NACRT(58%)。ChemoはFOLFIRINOXが約半数で、GnP、GCが続く。RTは50Gy/28Frが半分以上。

・治療前の状態はResectable 6割とBorderline resectableが3割。

・術式はPDが8割

・pMRを得られた症例は全体の10%。

・pMR群の5年生存率は80%近く、それ以外の群は約40%。・pMRに関する単変量解析ではN stage、腫瘍径、断端/剥離面陰性、RECIST分類、腫瘍体積減少率、PV浸潤、前治療後CA19-9が有意差あり。

・pMRに関する多変量解析では(単変量でP<0.2の因子を解析に入れた)、前治療後のCA 19-9が正常範囲内であること、RECIST分類上のPR(≒腫瘍体積の減少)が独立因子であった。私見:

・CA19-9低値と画像上の腫瘍が縮小した症例は予後が良いということなので、結果それ自体には新規性はない気がします。

・治療前の腫瘍径中央値はpMR群で5mm、非pMR群で29mmでした。(非科学的なコメントですがpMR群小さい!上皮内癌も混みなのでしょうか)

・腫瘍の縦横高さを測定して容積を楕円体の公式を用いて計測しています。ROC曲線を用いると腫瘍容積変化率55%がpMRに関するカットオフ値になるようです(感度78%、特異度75%)

・discussionで、(術前治療への反応性で術後の予後がわかるようになってきているので)例えば腫瘍径が全く変わらなかった(→pMRである確率は数%)患者が、frailなどハイリスク患者であれば、手術はless appropriateかもしれない。と膵癌における手術適応について配慮しているところは共感が持てました。

・limitationにCT所見の判断はsingle non-biased investigator (→著者)が行ったとありました。私も別の疾患ですが、同じように100例以上のCT所見をretroに見て解析を行なったことがあります。(non-biasedとは言いようで、完全に客観的と言えるかわからない)1人の人間の評価を解析に用いて、その結果で物を言っていいのかと自問していましたが、Annalsに載った本論文をみて「そこは問題ではないのだな」という感想を抱きました。毎度ひねくれたコメントですいません。

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