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Journal Club_Pancreas

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Reappraisal of a 2-Cm Cut-off Size for the Management of Cystic Pancreatic Neuroendocrine Neoplasms A Multicenter International Study Maggino, Laura MD General and Pancreatic Surgery, The Pancreas Institute, University of Verona Hospital Trust, Verona, Italy Annals of Surgery: May 2021 - Volume 273 - Issue 5 - p 973-981

Objective 嚢胞性膵神経内分泌腫瘍(cPanNEN)切除患者の高悪性度の術前予測因子を国際的なコホートで明らかにする。


Background 最近のガイドラインでは,2cm以下のcPanNENに対する治療戦略が提案されているが,エビデンスは乏しく,単一施設での研究に限られている。


RQの構造化 Ho: cPanNEN切除患者において腫瘍サイズが2cm以上と2cm以下で悪性度に差はない。 P: cPanNEN切除患者(cystic または mixedのうち50%以上がcysticのもの) ※ 1年未満のfollow up, 機能性腫瘍、MEN-1は除外 E: 2cm以下 C: 2cm以上 O: 高悪性度 M: retrospective cohort study


Methods

  • 世界16施設のcPanNEN(1995~2017年)切除患者(cystic または mixedのうち50%以上がcysticのもの)を対象とした。※ 1年未満のfollow up, 機能性腫瘍、MEN-1は除外

  • 固形病変(固形成分が50%以上),機能性腫瘍,MEN-1患者は除外した。

  • 高悪性度は、リンパ節(LN)転移、グレード3(G3)、遠隔転移、再発と定義した。

  • 記録された症状は腹痛・腰痛、意図しない体重減少(過去6カ月間で体重の10%以上)、黄疸、急性膵炎など

  • 術前検査はCT,EUS, オクトレオスキャン

  • 機能性の定義は、血清ホルモン値の上昇とした

  • 腫瘍サイズはENETS, NCCNのガイドラインに従って≦2 or 2>に分類

  • 症例数から参加施設を専門 or 非専門施設に分類


Results

  • 263例のcPanNEN切除患者が含まれ、そのうち177例(63.5%)は術前に2cm以上であった。(Table 1)

  • 術前にcPanNENと診断されたのは162例(61.6%)で,内視鏡的超音波検査(EUS,オッズ比(OR)2.69,95%信頼区間(CI)1.52-4.77)とオクトレオスキャン(OR 3.681,95%CI 1.809-7.490)を受けた場合と,専門施設で管理された場合に頻度が高かった(OR 3.12,95%CI 1.57-6.21)(Table 2)

  • 腫瘍サイズの中央値は25mm, 約半数が固形成分を有していた。G1が2/3以上。G3は頻度が低く(n=4, 1.5%),LN浸潤をきたしサイズはいずれも2cm以上であった。(Table3)

  • 41例のcPanNEN(15.6%)が高悪性度とされた。コホート全体では、画像上のLN転移、65歳以上、術前の腫瘍サイズが2cm以上、膵管拡張が高悪性度と独立して関連していた。

  • 無症候性患者では、年齢と術前腫瘍サイズが2cm以上であることが、高悪性度と独立して関連していた。2cm以下の無症候性cPanNEN61例中1例のみが高悪性度を示した。

  • 術前腫瘍サイズと高悪性度の関連を調べるためROC曲線分析及びYouden Indexの計算を行うと、サイズのカットオフは2cmが感度・特異度のバランスが最も優れていた。

  • R0切除後、8.5%(22/260人)が術後26カ月(IQR 7~58)の時点で再発を経験した。5年後のRFSは94.1%、10年後のRFSは89.5%であった。

  • サイズ>2cm、壊死、リンパ管や神経周囲浸潤、R1切除、LN転移は、独立してRFSの短縮と関連


Limitation

  • Retrospectiveな研究であること

  • 術前画像及び病理標本の評価は施設ごとによる

  • 切除患者のみを対象としている


Conclusion cPanNENの診断精度はEUSとソマトスタチン受容体画像を用いることで向上し、専門施設ではより高い。術前腫瘍サイズが2cm以上であることは,高悪性度と独立して関連している。2cm以下のcPanNENに対しては、ほとんどの患者にとって経過観察が妥当と考えられる。


FINERによるRQの評価 F: 術前診断の正確性は施設の専門性に依存する I/N: 2cm以下の膵嚢胞性病変は研究の対象として最近は多く取り扱われていると思います。cPanNENに関するエビデンスは乏しく、世界の他施設からのデータでinterestingは十分あると思います。 E: なし R: これまで全て手術とされていたcPanNENに対し、経過観察のオプションの可能性を提示している。


私見 あくまで個人的な見解ですが、膵嚢胞性疾患に関しては、現状の適応ではまだまだ過大侵襲な部分があり、中でも手術が本当に必要な症例とそうではない症例をいかに炙り出すかが焦点になっているように感じています。この論文では、米国・イタリア・フランスなど世界16の施設のデータをもとに生物学的悪性度を測る指標を探し、その一つに腫瘍サイズが残ったとしていると思います。症例数も少ない疾患なので、とても貴重なデータだと思いました。ただし、2cm以下でも頻度は低いながらGrade 2以上のものがあり、一方で的が小さくFNBも困難という問題があるのかと思います。予後予測因子としてのバイオマーカーやデバイスの研究、手術適応のcriteriaの改変等がまだまだ研究の余地がある領域かと思いました。

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