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Journal Club_Pancreas

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Masakazu Fujii


Left-sided Portal Hypertension After Pancreaticoduodenectomy With Resection of the Portal Vein/Superior Mesenteric Vein Confluence in Patients With Pancreatic Cancer: A Project Study by the Japanese Society of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery

Ann Surg. 2021 Jul 1;274(1):e36-e44

日本肝胆膵外科学会より著者は三重大の水野教授背景・目的:PV/SMV合併切除を行なったPD症例において左側門脈圧亢進症の発生頻度と長期予後への影響の詳細は不明→日本の多施設後ろ向き調査で調べてみた。P:日本の肝胆膵外科学会の40の認定施設から2005〜2014年の間にPV/SMV合併切除を行なったPD症例を抽出(889例)。データ不足の283例、楔状切除・follow1年未満・1年以内にPV/SMV閉塞といった除外基準を満たす70例を除いた536例が対象。これらを脾静脈温存 SVp n=285

脾静脈切離(切りっぱなし) SVr n=227

脾動静脈切離 SVr+SAr n=12

脾静脈切離+SMV吻合 SV-SMVrec n=8

脾静脈切離+左腎静脈吻合 SV-LRVrec n=4に分けて検討した。*主には上2群の比較。Results

<静脈瘤形成の発生率>

SVr群ではSVp群に比べて術後3年間、発生率が上昇(38.7% vs 8.3%、P < 0.001)。

<静脈瘤の出血>

SVr群では発生したが(n=9:4.0%),SVp群では発生なし(P < 0.001)。

<静脈瘤形成の危険因子に関する多変量解析>

肝疾患,N因子,conventional PD,中結腸動脈切除術,SV切離(切りっぱなし)。

<静脈瘤出血の危険因子に関する多変量解析>

SV切離(切りっぱなし)

<血小板減少>

PD後6ヵ月目の血小板数比はSVr群がSVp群よりも有意に低い(0.97対0.82、P<0.001)、★結論としては脾静脈切離(切りっぱなし)のPDは,静脈瘤形成,出血,血小板減少を引き起こす。

*ただしこれらは術後補助化学療法(yes or no→量や期間は不明)には影響を与えなかった

**長期“予後“の比較については(腫瘍学的因子の影響が大きいので)本論文では言及なし私見

読む前は正直「左側門亢」という言葉しか知らなかったので勉強になりました。日本の肝胆膵外科学会からの多施設後ろ向き研究です。名だたる教授陣が共著者に入っています。同様の報告は少ないらしくAnnalsに載った理由の一つだとは思うのですが、“Western studies on LPH after PD are extremely rare because combined resection of the PV/ SMV confluence for PDAC is not commonly performed in Western countries.” とdiscussionにありました。海外ではPV合併切除はたくさんはやってない、、、というのは本当?とは思いましたが、PV合併切除をしていないのか、しても静脈瘤が発生していないのか、出血する症例はごく一部なので気にしていないのか、はわかりません。

静脈瘤の定義には直径5mm以上の静脈とありました。発生率の箇所では部位の記載はありませんが、出血をきたした10例については静脈瘤の場所も記載されており、結腸や膵周囲といった馴染みのない場所にも多く発生するようです。出血箇所にもよりますが、部分的脾臓塞栓(論文では治療として推奨)、脾摘、結腸切除などが治療として行われていました。統計学的有意差は出ませんでしたが、IMVやLGVの温存が推奨されていました。SPV切離(切りっぱなし)+MCA切離は同時にMCV、ARCVも切離されるので結腸の静脈瘤発生率が高い、など血管処理について細かく分析されていました。が、IMVやLGVのdrainage先などについてはデータがなく、この点はlimitationとして述べられていました。雲の上の話ですが、誰がデータを集めて、解析して、どういうメンバーで解釈を相談したのだろうかと思いを馳せながら読ませていただきました。

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