よいリサーチ・クエスチョン(RQ)とはどのようなものだろうか。RQの決定は、これから研究を始める初学者には最も難解な作業だが、研究実施に先立ち行う最も重要な意思決定である。
リサーチ・クエスチョンを評価する指標として、FINERやFIRM2NESSが知られているが、研究初学者にとってFeasible(実施可能性)が、Relevant(必要とされているか≒切実か)かどうかを判断するのは難しい。まず、無理である。ただし、文献検索や臨床研究であれば公開データベース等を用いて、Novel(新規性)やIntersting(興味深いか)については調べられる。
これまでの研究を調べることで新規性はある程度担保される。ただし、文献検索スキルを駆使して、徹底的に調べることが重要である。思いつくアイデアは、世界のどこかで同じように考えられていると思った方がいい。興味深いかどうかは、論文数や掲載ジャーナル、学会発表等のトレンドをキャッチするといい。既存研究の報告数は、研究テーマの関心の高さや重要性を反映する指標と言っていい。
一方、Relevantの判断は初学者には難しい。近道は、興味をもつ領域のトップ研究者に聞くことである。自身の指導者が、世界でどのような存在であるかが重要である。研究者同士の交流、学会での活動が明暗を分ける鍵となることもある。
研究者(初学者)のひらめきと下調べ、指導者の力がすべて揃った時に、リサーチ・クエスチョンは輝くのである。
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